こんにちは、薬剤師のるい(@yakuburo17)です。
皆さん、便秘になったことはありますか?
子供の頃は便秘なんて関係なかったですが、大人になるにつれて便秘症状に悩まされることが増えてきますよね。


生活習慣改善をしながらも便秘解消に至らない方は便秘薬を使用するのも一つの手段となります。
しかし、便秘薬も色々と種類があるので何を最初に買えばいいか分かりませんよね。

そこで今回は・・・
こんな方におすすめ
- そもそも便秘とは?
- 酸化マグネシウムってなに?
- 酸化マグネシウムが配合されている市販薬は?
- 妊娠・授乳中でも使用できるのか?
を中心に解説していきます。
便秘とは?
●日本内科学会
3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態
●慢性便秘症診療ガイドライン
本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態
便秘の定義は様々であり、共通の定義はありません。
一般的には排便の回数が少ないことが便秘と認識されています。
しかし、「残便感・お腹が張っている・便が硬くてでない」といった症状がある場合でも便秘といえるでしょう。


便秘の原因と対策
原因 | 対策 |
食物繊維が少ない食事 | 食物繊維の多い食事を心がける。 食物繊維は便中に水分を蓄えることで便量を増加させて排便を促します。 |
水分摂取不足 | 適切な水分摂取量を心がける。 水分量が少ないことで便が硬くなってでにくくなります。食物繊維もしっかり摂取することで効果がより実感できると考えられています。 |
運動不足 | 適度な運動を心がける。 運動をすることで腸が刺激されて便秘解消の効果が期待できます。また、腹筋が弱いと排便するときの力が弱くなります。 |
ストレス | ストレス解消を心がける ストレスがたまることで自律神経が乱れて腸の活動が低下します。 |
酸化マグネシウムはリスクが少ない薬ですが、生活習慣改善はよりリスクが少ないので最優先にすべき便秘対策といえます。


また、速やかに便秘を解消させたい場合は生活習慣改善と便秘薬の内服を同時に行うのがいいですね。


酸化マグネシウムとは?
酸化マグネシウムは腸内に水分を引っ張り出してくることによって排便を促す「浸透圧性」の便秘薬となります。
「浸透圧性」の他にも腸を直接刺激して排便を促す「刺激性」に分類されている薬もあります。
刺激性の薬は浸透圧性の薬を使用しても効果が見られないときに使用する切り札てきなポジションに位置している薬となっています。


酸化マグネシウムの特徴
酸化マグネシウムは「刺激性」の便秘薬よりは効果は弱めな印象を受けますが、耐性ができにくいです。


また、酸化マグネシウムは体内で胃酸と反応して中和してくれるので胃酸を抑える薬としても効果を発揮します。
胃酸が多くなると腸内環境が乱され便秘になりやすいともいわれているので胃酸が原因の便秘にも効果があります。
注意ポイント
酸化マグネシウムの長期投与、腎臓の機能が低下していることで高マグネシウム血症になる可能性があります。症状としては悪心・嘔吐・傾眠・倦怠感・無気力・・等が挙げられますので注意が必要です。
酸化マグネシウムを含む市販医薬品


商品名 | 価格 | 成分量(6錠あたりの酸化マグネシウム) | 年齢 ※年齢により1回量異なる |
コーラックMg | 約11円/1錠 | 1980mg | 5歳以上~ |
3Aマグネシア | 約9円/1錠 | 2000mg | 5歳以上~ |
酸化マグネシウムE | 約13円/1錠 | 2000mg | 5歳以上~ |
これらの商品は水で速やかに崩壊してくれるので錠剤が苦手な人でも飲みやすくなっています。

ポイント
酸化マグネシウムは年齢により1回量が異なりますが、初めて服用する際は年齢に応じた最低用量から服用し、便通の具合をみながら増量や減量をおこない排便コントロールしていきましょう。
妊娠・授乳中でも使用可能
「浸透圧性」の薬である酸化マグネシウムは腸管内で効果を発揮するため妊娠中でも安全に使用できるとされています。


注意
「刺激性」の便秘薬(成分名:センナ、ピコスルファートなど)を大量使用することで子宮収縮を起こすことがあるので自身の判断で使用はしないでください。
また、授乳中においても酸化マグネシウムは安全に使用できます。


参考
・国立成育医療研究センター
・薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳
酸化マグネシウムのまとめ
便秘の原因としてはストレスや運動、水分・食物繊維不足などが挙げられます。
便秘を解消するために一番最初にやるべきことは生活習慣の改善です。
見直しているにもかかわらず改善がみられない、今すぐ便秘をどうにかしたいという方などは「酸化マグネシウム」から服用し始めてください。


基本的には安全な薬ですが、腎臓の機能が低下している人は副作用がでやすいので注意してください。
また、妊娠・授乳中でも安全に使用できるとされているので便秘にお困りの方は使用してみるといいかもしれません。