こんにちは、薬剤師のルイ(@yakuburo17)です。
頭痛や生理痛などの痛み止めには「ロキソニン」を使用している人が多いのではないでしょうか。
市販薬としては第一三共から発売されている「ロキソニンSシリーズ」が有名です。

そこで今回は・・・
こんな方におすすめ
- ロキソニンSシリーズの違い
- ロキソニンSの特長
- ロキソニンSを服用する際の注意点
について解説していきたいと思います。
ロキソニンSシリーズの違い
ロキソニンSシリーズは3製品あります。
ロキソニンSシリーズ
・ロキソニンS
・ロキソニンSプラス
・ロキソニンSプレミアム
3製品とも成分量(ロキソプロフェン60mg)は同じです。
しかし、ロキソニンSプラスやロキソニンSプレミアムはロキソプロフェン+αが配合されているので使い分けが必要になります。
飲み方に注意!
ロキソニンSシリーズは「症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用して下さい。」と記載されています。これは、空腹時に服用することで胃痛などの副作用がでやすくなるためです。空腹時の場合は軽食をとるなどしてから服用して下さい。
ロキソニンSは医療用とほぼ同じ製品
ロキソニンSは「ロキソプロフェン」という成分しか含まれていないため病院などで処方されるものとほぼ同じ製品です。
成分、成分量、添加物、剤型などは同じで、ロキソニンSは錠剤に割線や刻印がないだけとなります。
また、他の解熱鎮痛薬と比較しても胃にやさしいため初めて購入する際は「ロキソニンS」がオススメです。
ロキソニンSよりも胃にやさしいロキソニンSプラス
ロキソニンSプラスは胃酸を中和して胃の負担を軽減する成分が追加されています。
追加成分
酸化マグネシウム(胃粘膜保護)
ロキソニンSを飲んで痛みは軽減したけど、胃がちょっと痛くなったかな?という人は次回からこちらを飲んでみるのもいいかもしれません。

より鎮痛効果が高いロキソニンSプレミアム
ロキソニンSプレミアムはロキソニンSプラスと同様に胃の負担を軽減する成分の他に鎮痛補助成分、鎮静成分が含まれています。
追加成分
アリルイソプロピル(鎮静)
無水カフェイン(鎮痛補助)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(胃粘膜保護)

ロキソニンSプレミアムの注意点
ロキソニンSプレミアムにはアリルイソプロピル(鎮静成分)が含まれているため、眠気やめまいなどがあらわれることがあります。そのため、服用後は車の運転や機械類の運転操作をしないようにしましょう。
ロキソニンSの特長
解熱鎮痛剤はロキソニンS以外にもイブA錠(イブプロフェン)、バファリンA錠(アスピリン)などが発売されていますが、ロキソニンSも市販薬として発売されてからは売上を伸ばし続けています。
これほどまでに人気となっているのには、ロキソニンSの特長にあります。
以下ではロキソニンSの特長を紹介します。
速効性がある
ロキソニンSは効果がでてくる時間がとても速いという特長があります。
速く効くことが分かる数値として「最高血中濃度到達時間(Tmax)」が使用されています。
最高血中濃度到達時間(Tmax)とは?
吸収された薬が血液中で最も濃度が高くなるまでの時間のこと

血中濃度が最大になるまでの時間を比較するとロキソニンS(ロキソプロフェン)はイブAなど(イブプロフェン)よりもとても速く効きます。
最高血中濃度到達時間(Tmax) | |
ロキソプロフェン | 約30分 |
イブプロフェン | 約2時間 |
胃への負担が少ない
ロキソニンはイブプロフェンと比較して胃への負担が少ないとされています。
参考

プロドラッグ製剤とは?
成分が体内で吸収されてから活性型に変化し,効果を発揮する仕組みの製剤のことをいいます。

しかし、イブプロフェンはプロドラッグ製剤ではないため胃腸障害が起こりやすいという特徴があります。
そのため、イブプロフェンに胃粘膜保護成分を配合させたイブクイック頭痛薬などが発売されています。
ロキソニンSを服用する際の注意点
ロキソニンSは第一類医薬品に分類されるため購入の際は、薬剤師から使用方法や副作用などの情報提供を受けてから購入となります。

情報提供が必要なのにも、注意しなければいけないことがあるからです。
安易な長期使用、妊娠・授乳中は注意
ロキソニンSは2011年に発売以来、第一類医薬品に指定されていますが、2014年にはイブプロフェン(イブA錠など)、アスピリン(バファリンなど)と同じ指定第2類医薬品に引き下げる案がでました。
しかし、主に以下の理由で、第一類医薬品のままになりました。
- 長期使用による乱用
- 20代~40代の女性が多く使用していることから妊娠中や授乳中の女性への影響による懸念
参考
これらの懸念点はロキソニンに限らず、他の解熱鎮痛剤にも当てはまります。
注意
ロキソニンSシリーズは出産予定日12週以内の妊婦は、服用できません。妊婦(出産予定日12週以内の妊婦を除く)または妊娠していると思われる方は、服用前に医師(主治医)に相談した上で服用してください。


「ロキソニン」は母乳中へほとんど移行しないことが確認されており、国立成育医療研究センターの「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」にも記載されています。
インフルエンザの疑いがあるときに飲むのはNG


このようなやり取りを、年代問わず度々することがあります。
ロキソニンの服用はインフルエンザ脳症を引き起こす可能性があるとされているため、インフルエンザの疑いがあるときは服用を避けましょう。
インフルエンザ脳症とは?
インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のことで主に5歳以下の小児が発症するケースが多いとされています。死亡、重症化するケースもあるため非常に危険な病気です。症状はけいれん、意識障害、異常行動などが症状として挙げられます。
子供の発症率が高い合併症になりますが、成人でも発症することがあります。

参考
インフルエンザの際に服用してもよいとされている解熱鎮痛剤は一般的にアセトアミノフェン(市販:タイレノールなど)のみとなっています。
参考


カロナールと同じ市販薬
・タイレノールA(15歳以上から服用可能)
・ラックル 速溶錠(15歳以上から服用可能)
・ムヒのこども解熱鎮痛顆粒(1~10歳に服用可能)
・バファリン ルナJ(7歳以上から服用可能)
・小児用バファリンチュアブル(3~14歳に服用可能)
・こどものパブロン坐薬(1~12歳に使用可能)

インフルエンザ疑いの場合は、すぐに病院を受診して医師の診察をうけてください。
まとめ
ロキソニンSは他の解熱鎮痛剤と比較して、即効性があり胃に優しい薬となっています。
主成分 | 主成分以外 | |
---|---|---|
ロキソニンS | ロキソプロフェン | |
ロキソニンSプラス | 酸化マグネシウム:胃粘膜の保護 | |
ロキソニンSプレミアム | アリルイソプロピル尿素:痛みの抑制をたかめる 無水カフェイン:痛みの抑制の働きを助ける メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:胃粘膜の保護 |
ロキソニンSシリーズは3製品ありますので自分の症状などに合わせて使い分けをしましょう。

使いやすい薬ではありますが、注意する点もいくつかありました。
- 長期使用による乱用はやめましょう→繰り返す痛みなどは受診する
- 妊娠中(出産予定日12週以内の妊婦)や授乳中の女性は服用しない
- インフルエンザが疑われる場合は服用しない
これらの注意点と、用法・用量を守れば効果が高いお薬になっています!
