こんにちは、薬剤師のルイ(@yakuburo17)です。
熱を出して病院にいくと「カロナール」が処方されることが多いですよね。


病院ではよく処方されるのに、ドラッグストアを探してみても「カロナール」という薬は売っていません。
しかし、販売名は違いますがカロナールと同じ市販薬はあります。
そこで今回は・・・
こんな方におすすめ
- カロナールってどんな薬?
- インフルエンザや妊娠中でも使えるの?
- カロナールと同じ市販薬とは?
- 市販薬における各商品の違いは?
というテーマを中心に説明していきたいと思います。
カロナールとは?
カロナール(成分:アセトアミノフェン)は病院で処方される痛みや熱を抑える解熱鎮痛薬です。
錠剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、坐剤と様々な剤型があります。


カロナールの効果と作用機序
カロナール(成分:アセトアミノフェン)は解熱鎮痛薬なので下記の症状に使用されます。
効能効果
頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛
分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症の鎮痛
急性上気道炎の解熱・鎮痛
カロナールは他の解熱鎮痛剤と比較して胃の負担が少ないです。
胃の負担が少ないと言われているのは他の解熱鎮痛剤との作用の違いにあります。

※NSAIDs(ロキソニンなど)の作用

プロスタグランジンは胃を保護する役割もあるので、作ることができなくなると胃の痛みがでます。
参考:カロナール 添付文書

脳に直接作用するため胃にはやさしい薬となっています。

NSAIDとは?
NSAIDsは非ステロイド性抗炎症薬のことであり、解熱・鎮痛・抗炎症作用をもつ薬の総称です。
ロキソプロフェン(商品名:ロキソニンSなど)、イブプロフェン(商品名:イブAなど)、アスピリン(商品名:バファリンAなど)が該当し、いずれもプロスタグランジンの産生を阻害することで解熱・鎮痛効果を発揮します。
インフルエンザに使用可能
インフルエンザにかかると発熱してとても苦しいですよね。
市販医薬品には解熱鎮痛薬が沢山ありますが、インフルエンザの時には使用していけない解熱薬があります。
以下の表に使用してはいけない解熱薬をまとめました。
成分 | 商品名 |
アセチルサリチル酸(アスピリン) | バファリンA、ケロリンなど |
ジクロフェナク | ボルタレン、フェイタスZなど |
メフェナム酸 | 市販薬なし |
これらの解熱鎮痛薬(NSAIDs)を使用することでインフルエンザ脳症のリスクが高くなります。
そのため、インフルエンザの可能性がある場合は上記の医薬品を避けて「カロナール」を使用することが推奨されています。


インフルエンザ脳症とは?
インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のことで主に5歳以下の小児が発症するケースが多いとされています。死亡、重症化するケースもあるため非常に危険な病気です。症状はけいれん、意識障害、異常行動などが症状として挙げられます。
妊娠中に使用可能


以下の表に妊娠初期から中期にかけて飲める解熱鎮痛薬をまとめました。
成分 | 商品名 |
アセチルサリチル酸(アスピリン) | バファリンA、ケロタンなど |
ロキソプロフェン | ロキソニンS、バファリンEXなど |
イブプロフェン | イブシリーズなど |
※参考:添付文書
妊娠後期(28週以降)に上記薬剤を使用することで、胎児に悪影響を及ぼす可能性があるので基本的には避けましょう。

カロナールと同じ市販医薬品
カロナールと同じ市販薬を購入するときは、カロナールの成分名である「アセトアミノフェン」が含まれている市販薬を購入しましょう。

注意ポイント
商品により「アセトアミノフェン」の含有量、対象年齢が異なるため確認してから購入しましょう。
大人向けの市販薬 タイレノールA
成分量(1錠):アセトアミノフェン300mg
対象年齢:15歳以上
タイレノールは「アセトアミノフェン」のみで、眠くなる成分は含まれていません。
また、胃にやさしい成分なので「空腹時」でも服用できるのが特徴です。


インフルエンザ、妊娠・授乳中にも使用できるので常備しておくといいかもしれません。
小・中・高校生向けの市販薬 バファリンルナJ
成分量(1錠):アセトアミノフェン100mg
対象年齢:7歳以上
バファリンルナJは「アセトアミノフェン」のみで、眠くなる成分は含まれていません。
7歳以上の学生を主にターゲットとしている商品です。


小・中学生で初めて使用する解熱鎮痛薬としておすすめです。
チュアブル錠とは?
錠剤を噛み砕いたり、唾液で溶かしたりして飲むことができるお薬のことです。
お子様向けの市販薬 小児用バファリンチュアブル
成分量(1錠):アセトアミノフェン50mg
対象年齢:3歳以上15歳未満
小児用バファリンは「アセトアミノフェン」のみで、眠くなる成分は含まれていません。
バファリンルナJと同様にチュアブル錠となっています。

1歳から使用可能な坐薬タイプ こどもパブロン坐薬
成分量(1錠):アセトアミノフェン100mg
対象年齢:1~12歳
こどもパブロン坐薬は「アセトアミノフェン」のみ含まれています。
嘔吐や食欲不振のときに使用できる便利な坐薬タイプです。

まとめ
カロナールは医療用医薬品であり、カロナールと同じ市販薬を購入する際は「アセトアミノフェン」を含む市販薬を購入しましょう。
剤型も幅広く揃っており、子供から大人まで使用できるため目的に合わせて購入しましょう。

