こんにちは、薬剤師のるい(@yakuburo17)です。
みなさん、かぜ薬のベンザブロックは知っていますか?

ベンザブロックは黄色、銀色、青色とそれぞれ症状に合わせてパッケージの色が異なっています。
また、ベンザブロックとベンザブロックプラスがあり計6種類あるので購入するときに症状にあった薬を選択できずに悩まれるかたもいらっしゃるのでは?


そこで今回は・・・
こんな方におすすめ
- ベンザブロックとは?
- ベンザブロックプラスとの違いは?
について解説していきたいと思います。
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ベンザブロックシリーズとは?
ベンザブロックシリーズは武田コンシューマーヘルスケアが販売しています。
この会社は大手製薬企業である武田薬品工業の子会社となっています。
この武田コンシューマーヘルスケアが販売している総合感冒薬が「ベンザブロック」シリーズとなります。
ベンザブロックは総合感冒薬のため発熱や咳、鼻水などの症状を緩和するための成分を一つにまとめた商品となっています。
疲労回復のアリナミン、便秘薬のタケダ漢方便秘薬、整腸剤のビオスリーなどが他に売られています。

ベンザブロックSシリーズとは?
「鼻からくるひとは黄色のベンザ」でおなじみのSシリーズです。
他のベンザブロックシリーズとは異なり、鼻水や鼻づまり、くしゃみを抑える成分が2種類配合されています。
鼻水などを抑える2種類の成分
クロルフェニラミン:抗ヒスタミン作用+抗コリン作用
ヨウ化イソプロパミド:抗コリン作用


抗コリン作用とは?
アセチルコリンを鼻の細胞にくっつくことをブロックすることで、鼻水をださないように抑えていることを抗コリン作用といいます。しかし、副作用として口の渇きや便秘、緑内障、前立腺肥大症を悪化させるため購入する際は医師、薬剤師又は登録販売者に相談してから購入しましょう。
ベンザブロックSシリーズの違い
-対象年齢-
ベンザブロックS:12歳以上
ベンザブロックSプレミアム:12歳以上
-価格-(カプレット)
ベンザブロックS:1459円/30錠
ベンザブロックSプレミアム:2198円/24錠
商品名 | 販売価格(amazon) | 発熱・頭痛 | 頭痛 | 鼻水・くしゃみ | のどの痛み | 咳 | ビタミン | 痰 |
ベンザブロックS | 約97円/2錠 | アセトアミノフェン900mg | 無水カフェイン75mg | ヨウ化イソプロパミド6mg クロルフェニラミン3.5mg |
トラネキサム酸420mg | ジヒドロコデイン24mg メチルエフェドリン60mg |
ヘスペリジン90mg | |
ベンザブロックSプラス | 約183円/2錠 | アセトアミノフェン900mg | 無水カフェイン75mg | ヨウ化イソプロパミド6mg クロルフェニラミン3.5mg |
トラネキサム酸420mg | ジヒドロコデイン24mg メチルエフェドリン60mg |
ヘスペリジン90mg リボフラビン12mg |
グアイフェネシン250mg |
Sプレミアムとの違いとしてはビタミン剤である「リボフラビン」の追加、去痰作用のある「グアイフェネシン」が追加されています。
ビタミン剤をかぜのひきはじめに摂取しても効果は変わらないとされているためビタミン剤の有無だけでは使い分ける必要はありません



ベンザブロックLシリーズとは?
「のどからくるひとは銀のベンザ」でおなじみのLシリーズです。
のどの痛みや痰がらみといったのどの症状に特化した成分が配合されています。
Sシリーズとは異なり、アセトアミノフェンからイブプロフェンというNSAIDsに分類される解熱鎮痛効果が高い成分に変更もされています。

注意ポイント
インフルエンザが疑われる場合はイブプロフェンなどのNSAIDsを服用することでインフルエンザ脳症のリスクを高めてしまうため服用は避けましょう。

ベンザブロックLシリーズの違い
-対象年齢-
ベンザブロックL:15歳以上
ベンザブロックLプレミアム:15歳以上
-価格-(カプレット)
ベンザブロックL:1818円/30錠
ベンザブロックLプレミアム:2038円/24錠
商品名 | 販売価格(amazon) | 発熱・頭痛 | 頭痛 | 鼻水・鼻づまり | 鼻水・くしゃみ | のどの痛み | 咳 | 痰 |
ベンザブロックL | 約121円/2錠 | イブプロフェン450mg | 無水カフェイン75mg | プソイドエフェドリン135mg | クロルフェニラミン7.5mg | ジヒドロコデイン24mg | ||
ベンザブロックLプラス | 約170円/2錠 | イブプロフェン600mg | 無水カフェイン75mg | プソイドエフェドリン135mg | クロルフェニラミン3.5mg | トラネキサム酸750mg | ジヒドロコデイン24mg | カルボシステイン750mg |
Lシリーズの違いとしては痰がらみを軽減してくれる「カルボシステイン」とのどの痛みを軽減する「トラネキサム酸」が配合されているかどうかの違いです。

解熱鎮痛効果が高いイブプロフェンが配合されているので、のどの痛みや頭痛などの痛みをアセトアミノフェンよりも抑えてくれます。

プソイドエフェドリンの注意ポイント
高血圧、糖尿病、心臓病などがある人は症状が悪化する場合があります。医療用でも2週間以上の使用は控えるように注意喚起されています。
参考:ディレグラ 添付文書
ベンザブロックIPシリーズとは?
「熱からくるひとは青のベンザ」でおなじみのIPシリーズです。
他のベンザブロックシリーズとは異なり、発熱やのどの痛みなどの解熱鎮痛に特化した薬です。

ベンザブロックIPシリーズの違い
-対象年齢-
ベンザブロックIP:15歳以上
ベンザブロックIPプレミアム:15歳以上
-価格-(カプレット)
ベンザブロックIP:1830円/30錠
ベンザブロックIPプレミアム:2038円/24錠
商品名 | 販売価格(amazon) | 発熱・頭痛 | 頭痛 | 鼻水・くしゃみ | のどの痛み | 咳 | ビタミン |
ベンザブロックIP | 約122円/2錠 | イブプロフェン450mg | 無水カフェイン75mg | クロルフェニラミン7.5mg | ジヒドロコデイン24mg メチルエフェドリン60mg |
ヘスペリジン90mg | |
ベンザブロックIPプラス | 約170円/2錠 | イブプロフェン360mg アセトアミノフェン180mg |
無水カフェイン75mg | クロルフェニラミン3.5mg | グリチルリチン39mg | ジヒドロコデイン24mg メチルエフェドリン60mg |
ヘスペリジン90mg アスコルビン酸500mg |
IPシリーズの違いとしては、解熱鎮痛成分の「アセトアミノフェン」とビタミン剤の「アスコルビン酸」、のど等の炎症を抑える「グリチルリチン」の有無となります。
IPプラスはアセトアミノフェンとイブプロフェンのW配合なので発熱などの解熱鎮痛により特化しています。

ベンザブロックシリーズのまとめ
ベンザブロックシリーズは計6種類のかぜ薬があり、それぞれ特徴がありました。
鼻:ベンザブロックSシリーズ
のど:ベンザブロックLシリーズ
熱:ベンザブロックIPシリーズ

今までは上位互換として「~プラス」という商品がありましたが、2020年9月からはプレミアムシリーズに切り替わりました。
プラスシリーズからそれぞれの商品により特化した成分を1種類追加して効果を高めたのがプレミアムシリーズとなっています。
基本的には鼻・のど・熱と自分がいまでている症状に合わせて購入していただければと思います。
